AYA支援チーム

はじめに

AYA世代とは、Adolescent and Young Adult(思春期および若年成人)の略で、主に15歳~30歳代までの世代を指します。AYA世代は就学や就労、結婚や出産、育児に加えて親の介護といった、様々なライフイベントが起こる時期で、社会の中核を担う世代です。病気に対する治療だけでなく、小児とも高齢者とも異なるAYA世代の患者さんに特徴的な精神的・社会的ニーズに対して、長期的な視点に立ったサポートが必要です。

慶應義塾大学病院でも、AYA世代のがん患者さんの診療を充実させるとともに、ライフステージに応じたきめ細かなサポートを提供していきたいと考え、2021年に腫瘍センター内に、AYA世代のがん患者さんの支援を行うチーム(以下、AYA支援チーム)を結成しました。病院全体での取り組みですので、AYA支援チームは、医師、看護師、薬剤師、診療放射線技師、医療ソーシャルワーカー、チャイルドライフ・スペシャリストなどの多職種で構成されています。

「AYA世代」といっても、その年齢幅が広いため、AYA世代のすべてのがん患者さんに共通の課題があるわけではありません。我々AYA支援チームは、AYA世代のがん患者さんのニーズを課題ごとに整理し、当院が提供する支援につなげられるようにしています。

AYA支援チームコアメンバー

過去開催イベント
2021年10月8日(PDF)
2021年12月11日(PDF)

診断・治療・症状等に関すること

がん情報提供コーナー

がんと暮らしに関する資料、セミナーのご案内等を提供しています。設置場所は下記のとおりです。ご自由にご利用ください。


服薬指導 お薬に関すること

服薬指導写真
服薬指導写真

お薬について心配なことを薬剤師に相談してみませんか? この先妊娠を希望される患者さんや妊娠中・授乳中の患者さんが薬の影響について相談出来る窓口があります。男性の方も相談できます。まずはご相談ください。

妊孕性温存療法

がん治療の種類によっては、治療後に男女ともに妊娠するために必要な能力(妊孕性)が低下したり失われたりすることがあります。がん治療前に卵子や受精卵、精子を凍結保存することで、がん克服後も妊娠の可能性を残しておくことができます。
リプロダクションセンター がん・生殖外来

放射線被ばく低減への取り組み

当院では、常に最先端の機器や検査法を取り入れることで、低侵襲で効率の良い画像検査を実現し、患者さんの負担の軽減(検査時間の短縮や被ばく低減)、そして個別に最適で安全な検査の提供に努めています。
画像検査や画像化治療について

緩和ケア

緩和ケアセンターでは、病気の治療の全経過を通して身体や心の様々な苦痛を和らげ、良好な生活の質(Quality of Life)を維持できるよう患者さんやご家族のサポートを行っています。身体や精神心理的な症状以外の困りごとでも、解決できる方法がないか一緒に考えたり、幅広く相談に乗っています。
緩和ケアセンター

社会的なこと

就学のサポート

小児科病棟には、体力的な理由や病気治療のために通学が困難な患児がいます。 当院では、新宿区立新宿養護学校と連携し、おおむね1か月以上の長期にわたって入院している小・中学生を対象として教科の指導、自立活動の指導、校外学習などのサポートを行っています。中等教育以降では、東京都立光明学園と連携し、高等教育のサポートを行っています。入院中の患児1人ひとりの取り組みたいことに、大学生が一緒に向き合い、勉強や生活の相談にのるYour Schoolなどの団体もあります。

仕事に関する支援
就労支援写真
就労支援写真

治療が始まると、仕事の継続と治療の両立に悩む方が少なくありません。「がんと診断されたが仕事を続けられるか」「職場に病気のことをどう伝えたら良いか」等の相談が寄せられます。当院では、就労両立支援コーディネーターの研修を修了したソーシャルワーカーや看護師が、治療の両立に関する相談に対応しています。様々な制度を活用したり、職場との相談方法を一緒に考え、時にはハローワーク等との連携も行い、仕事とがん治療の両立を支援しています。
がん相談支援センター

患者同士の支え合いの場(ピアサポート)
がん患者サロン:

がん患者さんやご家族を対象に、学び、語り合い、ふと立ち止まって考える場として、がん相談支援センターでは定期的に患者サロンを開催しています。参加者からは、体験や悩み等を語り合うことで、不安の解消や安心感、療養生活の工夫につながったとの声が寄せられています。是非ご参加ください。
がん相談支援センター

子育て中のがん患者さんと子どもの支援

当院では、がんの親をもつ子どもサポートチーム(Supporting Kids of Parents with Cancer;SKiP KEIO)があります。AYA世代の患者さんの中でも、子どもを育てながら闘病されている方々が多く来院されています。入院や治療の副作用により、十分に親の役割が発揮できず、葛藤することは当然なことです。当院では、家族にお子様がいた際に、子どもの性格や年齢に合わせた情報提供や気持ちのサポートを行う多職種チームがありますので、スタッフにお気軽にお尋ねください。
がんの親をもつ子どもサポートチーム(SKiP KEIO)